摂食・嚥下リハビリテーションとは

摂食・嚥下リハビリテーションイメージ

食物を口から取りこみ、胃に送るまでの一連の流れを「摂食・嚥下(えんげ)」と言います。脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、パーキンソン病、認知症などさまざまな疾患が摂食・嚥下障害の原因となります。そして、摂食・嚥下障害により生じる問題点は、誤嚥性肺炎や窒息の危険、脱水、低栄養のみならず、食べるという人生の大きな楽しみを奪われてしまうことがあげられます。食べ物、水や唾液が、誤ってのどから気管に入ってしまう場合は、口の中を清潔にしておかないと、誤嚥性肺炎をおこしやすくなります。そのため口腔ケアやリハビリがとても大切です。

摂食嚥下リハビリテーションでは、患者さんが安全かつ楽しく生活できるよう、栄養摂取の方法を確立することを目指します。患者さんに合わせた食事や栄養摂取のスタイルを確立することが、嚥下リハビリの最大の目標です。

間接的訓練法

摂食・嚥下障害の治療の基礎にあたるので、基礎訓練という言い方もあります。
食べ物を直接食べることが出来ないときに、口や喉の筋力や感覚を高めることを目的に行なわれます。
間接的訓練法の内容としましては、

  • ① 摂食・嚥下に必要な筋肉の運動訓練
  • ② 飲み込みを行なうための感覚を改善する訓練
  • ③ 呼吸や発声などの摂食・嚥下に関連する訓練

の3種類があります。

直接的訓練法

直接的訓練法では、食べ物を使って実際に飲み込む訓練を行ないます。直接的訓練法では、事前にどのような形態の食べ物で、どのような姿勢でならば、食べやすいかを検査を行って確認します。

嚥下造影検査(VF)

食べ物が気管に入っていないかどうか、安全に飲み込みが出来るかどうかついて、X線の透視検査を利用して評価する検査です。薄めたバリウムの入ったゼリーやおかゆ、とろみなどの模擬食品を、食べていただきます。この検査では、誤嚥を観察しやすくこの結果から食事摂取困難やむせ込みの改善のための、効果的なリハビリテーションを行うことが出来ます。

内視鏡下嚥下機能検査(VE)

鼻から内視鏡を入れた状態で、食物を口から食べていただき、食物の咬みぐあいや混ぜぐあい、飲み込みの様子を観察します。普段お家で食べているものを使用して検査を行うことができます。この検査では、口の中から喉に流れてくる食品の様子を実際に見ることができるのが特徴です。

経管栄養法

摂食・嚥下障害のリハビリテーション中は、食べにくい状態ですから必要な栄養を摂取することが難しくなります。
その間の栄養補給として、経管栄養法が行なわれることがあります。これは、鼻から細いチューブ(管)を胃まで入れて、水や液体の栄養剤を注入する方法です。
1ヶ月以上行なう場合は、胃ろうという方法を選ぶことがあります。経管栄養法は、あくまでも最終目的でなく、摂食・嚥下障害のリハビリテーションを行なうために、全身の栄養状態を安定化させることが目的です。ですから口から食べ物を摂取することが可能になれば、経管栄養法は中止になります。