血圧脈波検査とは

血圧脈波検査イメージ

動脈硬化とは動脈血管壁にコレステロール等の脂質が沈着し、血管の細胞が増殖したりして、血管が弾力を失い、硬化するとともに、内腔が狭くなる(狭窄)状態です。
動脈硬化の危険因子には高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、肥満などがあります。
動脈硬化の進行を放置すると、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞・脳出血・閉塞性動脈硬化症などを引き起こす原因となります。
血圧脈波検査装置(ABI/PWV)は、動脈硬化を客観的に評価することのできる非侵襲的な検査です。検査の時間は検査の準備などを含めても10~15分程度で出来ます。

ABI(足関節/上腕血圧比)とは

足関節収縮期血圧/上腕収縮期血圧のことです。
通常は下肢(足関節)の血圧は上肢(腕)の血圧と同じか少し高いのですが、この比が0.9以下の時は、下肢の動脈に狭窄または閉塞が疑われます。両側足関節と両側上腕の血圧を同時に測ることによってABIを算出し、下肢動脈の狭窄・閉塞を評価しようとする検査です。また血圧の左右差を知ることも重要です。

PWV(脈波伝播速度)とは

心臓から押し出された血液により生じた拍動(脈波)の伝わる速度(腕から足首まで)を測定する検査です。
健常者は血管がしなやかであり、ゴムチューブのように弾力性があるため、拍動(脈波)が血管で吸収されてスピード(PWV)が遅くなります。これに対し、動脈硬化の起こっている血管は、土管のように血管壁が硬くなっているために拍動(脈波)が血管壁で吸収されず、スピード(PWV)が速くなります。
要するに、動脈硬化が強くなるほど脈波伝播速度(PWV)が速くなるという現象に基づいて、血管のしなやかさを評価する検査です。PWVは年齢とともに増加します。