乳腺外科について

乳腺外科イメージ

乳腺外科では、乳腺に関する全般的な診療をいたします。
乳房にしこりがある、乳汁が出る、乳房が張った感じがするなど、乳腺に関して少しでも気になる症状がみられたら、一人で悩まず、お気軽にご相談ください。

代表的な症状

  • 乳房にしこりを触れる
  • 腋の下にしこりを触れる
  • 乳房が赤く腫れている
  • 乳房が熱をもっている
  • 乳房に痛みがある
  • 乳房が張った感じがする
  • 乳房の皮膚にへこみやひきつれがある
  • 腕を上げると乳房にひきつれ感が生じる
  • 乳首から分泌液(赤・褐色)が出る
  • 乳首にただれが見られる
  • 乳がん検診を受けたい
  • 健(検)診などで要再検査と言われた
  • 乳がん手術等の治療を受けたので経過観察をしてほしい など

乳がん検診を行います

当院では、乳がん検診や乳腺の精密検査を行っています。
乳がん検診では、視・触診とマンモグラフィー検査、乳腺エコーを実施しています。
検査の結果、乳がんの治療が必要となった場合は、他院と連携したうえで、しっかり治療ができる環境づくりに努めます。

乳腺エコー(乳腺超音波検査)

乳腺エコー(乳腺超音波検査)画像

乳房にゼリーを塗り、プローブと呼ばれる探触子を直接肌に当てることで、乳房内部からの反射波(エコー)を画像化し、乳腺の状態を調べる検査になります。
リアルタイムで映像が表示され、様々な角度から観察することが可能で、乳房にある腫瘤を見つけることができます。検査時間は15分ほどです。

検査画像では、乳腺は白く、がんは黒く描出されます。
検査時に痛みは無く、体への負担もほとんどありません。
これは数ミリの小さなしこりを見つけ、しこりの中身もわかる検査です。
またX線検査のように被爆をすることも無いので、妊娠中に検査をしても安全に行えます。
ただ、細かい石灰化(カルシウムの沈着)や性状および範囲の確認はできません。
石灰化の良・悪性の判別に関しては、マンモグラフィ検査で確認します。

マンモグラフィ

マンモグラフィ画像

マンモグラフィは、通常のX線検査ではやわらかく厚みのある乳房の異常を発見しにくいため、圧迫することでより鮮明に写せるようにした乳房専用のX線検査です。乳房を圧迫して薄く・平たくすることで発見しやすくするだけでなく、被ばく量を減らす効果もあります。
乳房を挟む方向を変えて何度か撮影しますが、当院では上下・斜め・左右と計4回の撮影を行っています。乳がん検診として行う場合には、斜め方向のみの撮影を行うケースもあります。
マンモグラフィ検査は、微細なしこりの発見に加え、乳がんの初期症状である微細な石灰化の発見も可能ですから乳がんの早期発見に高い効果が期待できます。これにより、乳がん検診では、マンモグラフィが最も信頼性の高い検査とされています。

乳がんとは

日本人女性が最も罹患する率が高いとされているがんが乳がんです。30~50代といった比較的若い年代の方に好発しやすいのも特徴です。

一口に乳がんと言っても乳管や小葉上皮にできる悪性腫瘍の総称なので、その種類として乳管がんや小葉がんがありますが、乳がんの大部分の患者さんが乳管がんです。乳管がんは、乳汁をつくる組織(小葉)の付近にある乳汁の通り道である乳管の壁の細胞が異常増殖することで発生するがんです。また小葉がんは、小葉から発生するがんです。こちらの患者さんの割合は乳がん全体の5~10%程度と言われています。なお乳がんは、発症が確認されたとしても早期発見、早期治療を行うことができれば、予後は良好な経過をたどることが多いとされています。

なお乳がんはしこりが現れることから、自分で見つけることができるがんでもあります。しこりがない状態の初期の時点では困難ですが、腫瘤が5mm~1cmほどの大きさになれば自らが触って探し出すことも可能です。そのため早期に発見するには、このような気づきも大切です。ただ、乳がんで発生するしこりは硬いものばかりではありませんし、良性の疾患(乳腺症)であることもあります。さらに痛みが出る場合もあれば、出ないこともあるなど人によって様々です。しこりが気になるなどの症状があれば、あまり自己検診を過信するだけでなく、乳がん検診を一度受けられることをお勧めします。